010 トランキライザー


「まじ備長炭で燻されたいい匂いがする。」

「そうか?お前の香水でかき消されてるぜ...」

間近に香るシアームスクばかりが気になる。

悟浄は覆い被さるように窓枠に手を延べたまま
ぽかーんと口を開けた三蔵を見下ろす。

「三蔵見るとなんかワクワクすんだよね。
 絶対俺となんかやらかしそうになると思わねぇ?」

「別に....思わんな。」

手の間から三蔵がボソっと答える。

「もぉ面白くねェな。大黒屋の女王様ナイトでは八戒さんと清さんが呼んだ
 下僕とかがワンサカいてこんな夜には妖しいオーラを出しまくるらしいぜ。
 そして何かが起こるんだ。
つまり、三蔵が俺の心を惑わすってぇの?それも心地よいラヴ甘小説のような。」

「お前って、801度高い同人野郎か。」

「やっぱそう思う?前世はタイのオカマボクサーか。」

「ああ、『風と木の歌丸師匠』もしくは、
 種族の繁栄を一手に妨げるって感じだな、お前は。」

「歌師匠って!んじゃなくて、
 タイのオカマはスタイルが良くて可愛いのが特徴じゃん。
 そういう三蔵はアレだな、本日褌祭り開催中って感じ。」

「......」

「可憐さの中にも男気がある堅物で(笑)
 そこが俺気にいってんだけど。へへっ。」

褌祭り開催中か......悟浄の言葉がストレートに入り込む。

曲がりくねった先にあるホストクラブは倒産寸前だった。

悟浄の前では隠しているが学生時代バイトで...。

女相手に酒を飲むのが苦手で、苦労したのも今では良い思い出だ。

褌祭りが好評で持ち直したと、辞めてから風の噂で耳にした。

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ワンナイでホスト富井さんが言っていた言葉に釘付け
「褌祭り」←うわっ見たいケツと見たくないケツがあるぞ。
毛ケツは見たくないぞ。(笑)毛ケツはーーーーーー。

三蔵さまはツルケツ独身寮なのでいいのです。←決め付け


原色スーツも光り物も遮断しないと、お水街道一直線になりそうだ。

何も着ないで、何も考えないで産まれたままで居たいと思う自分がいる。

でも人目が気になりそれが出来ないのが腹立たしい。

ビヴァ露出..........

一瞬の隙にウダウダ考えていると、涎が垂れてきた。


「どした?涎でてるぜ、欲求不満?」

「ああ、そうかもな。ちょっとご無沙汰で。」


心配そうな悟浄を見て、つい同意した。


「さっきもしたじゃん(泣)。」

「あんなの数のうちにはいらん。」

それを聞いて悟浄は三蔵を押し倒した。



「三蔵さ、女嫌いって本当?俺、今はこんなだけど、
 
すんげぇ女っぽかった時期あるんだぜ。

よくオカマに間違われてさ。その頃家も住所不定で金もなくって。

仕方ないから営業オカマでなんだけど、

年ごまかして潜り込んで使ってもらって...

その気はないんだけど店連れてかれて化粧されると

ドンドンその気になって、いっそ先に業界にいた兄貴に

弟子入りしてオカマで行こうかと...

でもその時に世話になったオカマのネェさんに言われた言葉が、

”モロッコに行かなかったら、所詮本物じゃない、見かけだけよ”って、

見かけだけってことは玉無しじゃねーんだよなぁって諦めて(泣)

それから何年かして偶然アイツと出会ったのが運命だったかも。

で、アイツのおかげでオカマ道に諦めがついた。」

そういって棚の上のカメラを指差した。

なるほどやはり投稿マニアか。どうりで部屋中アルバムや写真だらけだ。

「だから、三蔵の涎もそれかなぁなんて...違ってたらゴメン。」

三蔵は「俺にはオカマ願望はねぇ。」と切り返した。


悟浄はそれ以上は聞いてこなかった。

「一人で喋くってワリィ、モー息。の新曲聞いた?」

「聞かん。俺は男闘●組オンリーだ。しかしお前は色々と
 アヤしすぎる。相撲だのオカマだのプラレールだのカメラだの。
 一体お前の仕事って?」





「あっ、まだ横になってろよ。」

「てめぇが押し倒したんだ!」

「そうだっけ?で、仕事は一応カメラマンの端くれ(笑)
 駅前の袋小路写真館知ってる?」

「知ってる、今丁度、盗撮投稿で忙しい時期だな。」

「ひっ人を犯罪者呼ばわりかよ!俺、こう見えても、盗撮はしないぜ。」

なんだ、しねぇのかと口には出さなかったがちょっと疑っていた。

「ウブな相撲部員の笑顔とか可愛くてたまんねぇの。」

「この黒薔薇学園野球部の写真もお前が撮ったのか?」

「うん、先月地区大会に呼ばれてオールポジション俺が奪った(笑)。」

「ふーん。」

黒薔薇学園野球部総ナメ???

少し興奮してきた所為で、思考回路がグチャグチャしてきた。

「すげぇインパクトだな、この写真。」

「うわっ三蔵なに見てんだよ!」

「ああ、この写真の男なかなか良い顔してるぜ。」

「それ兄貴がまだ男だった時の...。」

複雑な表情でグラスの酒を飲み乾すと、ベッド横に潜り込み
寝ている三蔵の顔を覗き込んだ。

「なぁ今度、一緒に行かねぇ?」

「一緒に行くって...どこへ?」





「俺、プロレス観戦趣味なんだ。行く?」

「ああ、前もって言ってくれれば付き合う。」

「良かった。断られるかと思った。」

「いや、俺だってたまに違う男の裸見たいし。」

あ”−−−−−−−−。何口走ってんだ俺....

「じゃねぇ、男の真剣勝負が見てぇってこった。」

「ふーん隅におけねぇ。取り合えず三蔵のオフ日ゲット!(笑)」

笑いながらガシガシエルボーを食らわされた。

普段ならムカツク行為なのに妙に懐かしい気がしたのは何故だ。

今は居ないあの人の影......

どんどん入り込んで来る悟浄を拒む理由など

もうどこにもなかった。

「ギブ?」

「まだだ。」

「じゃこれは?」

「ううっ、そんな程度じゃいかねぇ。」

「三ちゃん結構しぶといじゃん。そろそろ次で終わりにしない?」

「てめぇにばっかいい思いはさせねぇ。」

三蔵は素早くバックから組んで悟浄の股間越しに手をつかんだ。

ストレッチ・ボム風に持ち上げつつ、

オクラホマ・スタンピードの態勢に担ぎ上げて

ジャンピング開脚ドライバーで叩き落していた。

「逝ったな、悟浄。」

「マグナムトー●ョー先生の技っすね(泣)」



虎の穴に導かれたのだろうか?

勝者のプライドが倒れることを許さなかった。

「悟浄、明日はどっちだ?」


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トランキライザー 今回は隠喩です。
隠喩ということにして下さいお願いします(笑)


悟浄贔屓のプロレスラー「獣珍トランキライザー」登龍悶所属←今浮かびました(笑)凄そうだ。

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