012:ガードレール


「俺の大事なニッケル手錠」と言いながら悟浄が泣いている。

「今のはねーよな、全く自分勝手だぜ。」

「嗚呼全く自分勝手な野郎だぜ。」




悟浄(受)に言われるまま素直に答えた自分は、一体どうしちまったんだよぉ。



月のモノの所為にしておけばいい.....

と思ってはみたが俺はれっきとした男だった。

当初の予定ではプラレールに興味を抱かせて、

「三蔵、秋田新幹線”こまねち”も良いけど俺の新幹線はもっと凄いぜ。」

「本当か?出し惜しみしないで早く見せろ!」

「良い子にしてたら見せてあ・げ・る。」

なぁんて言いながら酒で酔わせてベロンベロンにして
敷き詰めた薔薇の花弁の中で夜通しアンアンしてもらう予定だったのに(泣)

俺の今日のメインディシュが1UP三蔵に奪われるなんて........



煙草を取り出し火を着けようとすると、ちゃっかり

先に吸っていた悟浄(受)が自分の煙草の火を差し出した。


「お前それって俺のじゃん。」

「お前の物は俺の物(笑)。」

「マジかよ〜。いいぜ、別に倍返しにして貰うから。」

「お前が言うと冗談に聞こえねぇ。」

「お前に言われたかねぇ。」




くだらない押し問答を暫く続けたが、二人はすぐに飽きてしまった。


「どうしよっか?」

「あんたの好きにして。」

あんたの好きにして.....

「三蔵に言われたかったよぉぉぉぉぉぉ(泣)」

不覚にもポロリと頬を伝う涙を見て悟浄(受)が耳元で囁いた。

「俺じゃだめ?」

「だめ?と言われても結局お前は俺なんだからさー。」

と言っては見たものの、俺×俺=痒い所に手が届く。

ツボの押さえもバッチリです!

「宜しくお願いします。」

「お願いされます。」

春の盛りは階下の旦那だけではなく悟浄にも訪れていたのだった(笑)



「あっそろそろヤバそう.....」(攻)

「あっほんとヤバいって、はっ早く...」(受)

悟浄(攻)が盛り上がって来た時、

「あっ、あっ...悪ぃ、俺マジでそろそろ消えちゃいそう。」

イタズラっぽく悟浄(受)が言った。

「そんな殺生な!」

「じゃっまた!今度会える日まで!」

「また来るつもりかよっ!」


答えずに舌を軽く出して悟浄(受)は消えていった。

一人部屋に残された悟浄(攻)は、股間の辺りがむず痒かった。

「あ〜あ、きのこは二度と踏まねぇ。」

そのまま悶々悟浄はベッドに突っ伏した。

枕から微かに三蔵のシャンプーの香り......

「使える...(笑)へへっ。」


香りというのは罪なものだ。
さっきまで悟浄(受)相手にハッスルしていた癖に三蔵の残り香で
一気に気持ちが切り替わった。





「俺、三蔵のこと.........」







考えていてもいなくても、恐らく同じ朝が来る。

「絶対ホモだと思う!(笑)」


同じ時刻に、同じ道を辿って、同じネクタイをしていつもの仕事に出向く三蔵。


ただ違うのは、ブリーフが時折ボクサーになるくらいだろう(悟浄推定)。






「どうしたの?何だかボケっとしてるけど。」

「イヤ、何でもないって。ちょっと考え事。」

「登龍悶タッグリーグ戦のことでしょ?最近気になってしょーがないよね。」

「それはお前と俺の間だけで盛り上がってる話。」

職場でつい三蔵の事を考えていたが、同僚にはばれなかった。

「偽らざるファンって顔してるよ。獣珍トランキライザーの。」

忘れていた.......三蔵誘おうと思ってたのに...





その日悟浄は仕事から帰ると、食事もそこそこに

家を出て、駐車場へと向かった。

エンジンをかけると、行く先も決めずに走り出した。

悶々する気持ちを吹っ切るように。





あんまり煩悩が多すぎてGのきついカーブで
ガードレールの向こうに落ちてしまいそうになった。

けれど九死に一生スペサルなコーナーワークで乗り切った。

「俺ってすげくない?」


そんなこと思いながらアクセルローズの真似をした。
「うぇるかむとぅざじゃんごー♪」
まさに俺の歌(笑)

なーんてのん気に構えていたが、何故三蔵が
自宅に呼んでくれないか考えてみた。

大物を作りたかった。

壊したくなかった。

だから慎重にならざるを得ないのだジグソーパズルは。

三蔵は自分に壊されるのを恐らく警戒しているのだろう。

だから頑なに部屋に呼んでくれないんだ。




俺といるよりも1UP三蔵とパズル製作を選んだな?






あれから1週間またなんの音沙汰も無く、大黒屋でもすれ違いだった。

一人遊びには慣れていたが、本当は一人遊びは嫌いだ。

人に自慢するのは、喜びを分かち合いたいからだ。(タテマエ)


アクセルに自然と成りきっていた。
ガンズに入れるかもしれない。

「やっぱロックスターになろっかなぁ♪」

暫くすると街外れの高台に着いた。






高台から見る街の灯りの元には様々なホモが絡み合っていて(悟浄推定)

あのなかに三蔵もいたりしてと思うと、いてもたってもいられなかった。







一瞬躊躇ったあと、悟浄の手が携帯に延びた。


...RRR....RRR...

「....悟浄さん!こんな時間に一体なんですか!」



「はっ八戒さん...いっ今何してる?」

間違い電話とは言えず咄嗟に聞くと

「ふふっ、決まってるでしょ。」と含み笑いで答えたあと八戒は

「なんなら今から来てもいいですけどぉ。」

「遠慮しときます。」




断る悟浄の声が空しく辺りに響いていた。


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ワケわかんなぁい(笑)

1UP君達はあんまり長く滞在できないんですよー。

絵BBSのヒマモエさんの絵が可愛かったので湧いた煩悩を引用させて頂きました。

ヘンテコな話しですいません←今に始まったことではありませんが(笑)

 

 

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