013:深夜番組 1


後ろ手に鍵をかけると、三蔵は鞄を落とし、
上着をキッチンの椅子に放って、取り合えず白い割烹着に袖を通した。

モロッコに行ったあの人も生前愛用していた由緒正しき割烹着。
(光明の電波:勝手に殺さないで下さい!モロッコで活躍してるんですから!)


(…料理はやっぱこれ着けないと気合はいらねぇ…)

三蔵は冷蔵庫からハイエナ行為でゲットした半額こんにゃくを取り出した。
袋を開け、まな板に乗せると、冷たいこんにゃくの弾力が指先に伝わった。
禁断の感触を確かめるように表面をなぞって行く。

「あっ、冷た...い」

やってはいけないと知りながら、誰もいない部屋では
欲望を押さえ切れずについ快楽を優先させてしまう。
指先はいとも簡単にこんにゃくを貫き通し、すぐにまな板に到達し
人差し指に嵌ったそれを見ると自責の念にかられた。

「またやっちゃったにょーん。こんにゃくさん穴開けてごめんにょーん。」
「いいんだよ、ゴジョコちゃん。穴を開けたくなるような魅力的なボクがいけないのさ。」
「パペットゴジョコンニャット♪」
一人声色を使い暫しこんにゃくと戯れたが、はっと我に返った。

「あー腹減った。」(注:三蔵の発言です。)


B級グルメの三蔵には、
どんな料理も、最終的にはマヨネーズが、
味の要潤であるようにしか思えない。(元シェフだしな。)


熱したフライパンの上に(良い子のみんなは、オリーブオイルとにんにくを予め入れておいてね。)
適当に切った先程のこんにゃく(謎の穴有り)を入れ、こんがりと焦げ目をつける。
丸大豆も小麦も有機栽培な特選有機醤油を回し掛けハイ出来あがり。

(やっぱマヨかけてぇ)

マヨネーズだと思ってつかんだのは、
リモコンだった。



取り合えずTVをつけると銭金が入っていた。
今日は食玩ビンボーさんが出ている。
が....こいつ怪しい。

「ごっ、ごじょーーーーじゃねーか!」
プチ変装しているものの、あの紅髪は隠せない。
確かに悟浄だ。


「やらせだ。 前に行った時はこんな部屋じゃなかった。
 貧乏仕様に仕立てたな。あのゴージャスな燭台はどこやった?
 つーか、てめぇ俺に隠してTV出演なんて!!!許さんぜよ...」


今度あったらとっちめてやる。
気を取り直してマヨネーズを探した。
いつものNO1マヨネーズのポジションの隣になぜか携帯があった。
「???」
もしやと思い鞄を開けると予想通りNO1マヨネーズが入っていた。




先週までは、律儀に確認していたNO1マヨネーズが、
鞄に入れっぱなしでは、見ることもないはずだ。

職場では社員食堂を利用するし、
三蔵はいつでも、携帯マヨは肌身離さないから今日携帯マヨが切れるまで
家マヨNO1が行方不明なのに気付かなかった。

「冬で良かった。」
喜び勇んでそれをこんにゃくにウニョっと回し掛けた。


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続きます。無駄に長いです。

割烹着さんちゃんに憧れております(笑)サイト開設時からずっと。

割烹着さんちゃんと着流し悟浄さん誰か描いてくれませんかねぇ。

うなじにノックアウトさ。あぽんv

 

 

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