014:ビデオショップ(前)


「もしもし?」

「あっ、あの自分は三蔵さんの趣味の仲間の沙悟浄と言う者ですが。」

「マネージャーの...(噂の同人、五七五仲間かな?ジジィばっかじゃないんだ。)
 で、こんな夜中にのほほーんと、うたでも詠んでいたんですか?」←怪訝そうだ。

「あっバリバリ歌うたって来たのは自分です。(注:なりきり大輔祭り)
 実は今病院で、三蔵がさっき道端で倒れちゃいまして。
 それでそちらに電話するように頼まれたのですが、
 最初に三蔵が間違えて 桃源郷の聖羅ちゃんの名刺なんか出すもんで、
 ”ああ見えて三蔵も中々隅におけないなぁ”と感心していた次第で御座います。」

「えーっ聖羅ちゃんだって?!」

電話の向こうの声のトーンが2オクターブ上がって最早怪電波状態。

「あっでもその件は気にしないでいいから、早く孫さんを呼べと言われまして
 私、慣れない敬語を使いつつも、こうして貴方に電話をカケティングな訳で御座います。」

「なるほどザワールド春の祭典オスペサル、で病院どこですか?
 俺聖羅ちゃんの件で、根掘り葉掘り聞きたいことがあるんですぐ行きます。」

「駅裏のエリザベス内科胃腸科なんだけど、解ります?」

「ええ、解ります。90―60―88な女医さんと病院とは思えない
 勘違いアールデコな内装で有名なフリーダイヤル0*20-140-140(胃腸胃腸)の
 リズ内科胃腸科ですね?では。」

悟浄が言葉を挟む隙も無しに、電話は一方的に切られた。
「リズって略しやがった...中々情報通だな。」


孫悟空...三蔵の職場の後輩だろうか?マネージャーって言ってたな。

なんだか中華料理屋みてぇな名前だな。三蔵そこで
支配人でもしてんのか?

はぁはぁ......。


聖羅ちゃんのことで随分動揺していたけど。

自分以外に三蔵をマークされるのが癪に障った。

でもどんなブツか見てみたい、デカイのか?孫悟空...そう思いながら病室へ戻った。




「連絡ついたよ。」

「スマソ。」

「なぁんか慌ててたけど、今来るってさ。孫さん。」

悟浄が飢えた狼のような目をしたのを三蔵は見逃さなかった。

「悟浄。」

「うん?」


「ちょっと。」

手でベッド脇に呼び寄せた。

「ほら。」

「うまい...棒?」

「これやるから、明日仕事だろ?そろそろ帰れ。」

「イヤだ...俺ここで三蔵と一緒に寝たい。絶対寝たい。リベンジしたーい。
 三蔵とホットでうまい棒な夜を過ごしたいんだーーーーー。」

「ここはホテルじゃねぇ。ホスピタルだ。それに俺はまだ腹が痛い。
 陣痛のような波がある。」
 

 
「じゃ、帰って一人でするわ。」

心とは裏腹に、あっさりと病室を出ると、廊下で小柄な男にすれ違った。





「三蔵、聖羅ちゃんとこいってんのかよ?」

背後でかすかに声が聞こえた。




あいつが、孫悟空?





小さくて早そうだ.....(推定)


内心勝ったと思ったが、複雑な胸中で病院を出た。

俺の知らない三蔵を知っている......


「やべぇ!」

信号待ちで止まっていると急に本来の自分の目的を思い出した。

「ビデオ返さなきゃ!」

Uターンしてバイクは怪しいビデオ屋へと向かって走り出した。


「ありがとう御座いました。お盛んですね(笑)。」


深夜だと言うのに店内はまだ同志で賑わっている。

レンタル落ちで出物はないかと物色していると、覚えの有る

気合の入ったお水街道まっしぐらな香りが立ち込めた。


「行ってたんだぁ....」

「当たり前だ、俺を誰だと思ってる。」

「バリバリだね...」

「お前モナー。」

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豪華悟浄の妄想リンク付き(笑)

あのままオチ無しでも良かったんだけど恥ずかしくて←乙女願望(笑)

聖羅ちゃんて一体?謎は深まるばかりなり。

 

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